利益を生むビジネスモデル

ビジネスを考える上で、最も重要なのは「お金をどう稼ぐか」です。「利益を上げていく仕組み」がなければ、どんなに優れたビジネスモデルでも継続できません。

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当市の広報用に、キャラクターのぬいぐるみを製作したところ、思いのほか好評で、関連商品やサービスを充実させて新規事業に繋げようと盛り上がっています。

まずはプロジェクト立ち上げの企画書を作成しなければいけません。

新キャラの投入も視野に入れていますが、どういう展開を考えればいいでしょうか。(Fさん・市役所勤務)

回答

滋賀県彦根市のひこにゃん、熊本県のくまモン、愛媛県今治市のバリィさんなど、人気キャラクターで新規事業を展開しようとする地方自治体が増えています。

このケースはまだぬいぐるみだけということで、最初から本格的なビジネスを狙ったわけではないようです。

今後の展開は、販路の開拓と商品開発が課題になります。

ただ、民間企業ではないですから、通常のルートでリアルに店頭で売るには経費がかかりすぎます。

市のマスコットとしてファンを増やしつつ、ファン対象のグッズを販売していくのが正解でしょう。

メインの販路としておすすめなのは、リスクもコストも少ないFacebookコマースです。

Twitterとよく比較されますが、ビジネス利用ではFacebookに軍配が上がります。

Twitterの普及速度、ブログの情報量、そしてmixiなどの会員限定性を兼ね備えているのがFacebookです。

ファンページを作り、キャラクターに関する話題を発信していって「いいね!」と思ったらすぐ購入できるようにしていきます。

記事を読んで興味が湧けば即、購入したい。

そんなユーザーの気持ちに添って、一気に購買導線まで持って行けるのがFacebookコマースの魅力です。

例えば、ヤマサ醤油はFacebook上に『醤油の魔術師』というページを開設しています。

その中には商品を販売する『超レアな醤油ショップ』、参加型コンテンツの『秘伝の技レシピ』『しょうゆ豆知識』などが作られています。

メーカーサイドから情報を発信して興味・共感を喚起しつつ、ファンを増やして購買に結びつける。

つまりファンとのコミュニケーションから販促に繋げようという取り組みです。

ヤマサ醤油のFacebook活用方法
商品に関心を持つ ファンページ『醤油の魔術師』
特性を理解する コンテンツ『しょうゆ豆知識』『秘伝の技レシピ』
欲しくなって購入する eコマース『超レアな醤油ショップ』
体験を仲間とシェアする 『いいね!』『シェア』『コメントする』

既存の流通経路は便利ですが、活用するためにはコストがかかります。

書籍や雑誌などで顕著ですが、出版社は取次や書店にマージンを払って本を流通させています。

自主流通できれば利益率が上がるはずです。

電子書籍はそういう流れでもあるではないでしょうか。

Facebookのメリットは、ブログの情報量、Twitterの普及速度、mixiの会員限定性を持っているっていることです。

その特性を利用して、どんなキャラクターかというお話を展開していく。

市のイメージキャラクターなら、市の歴史や特産物と絡めることができるのではないでしょうか。

商品の物語を展開して、購買活動に繋げる手法を『ナラティブマーケティング』といいます。

犬のお父さんで有名なソフトバンクCMに搭乗する『白戸家』などが典型的なナラティブマーケティングです。

こういう物語を使った戦略というのは、今の消費活動にもマッチしています。

昔はアイドマ(AIDMA)と言われ、購入するまでには「Attention 気付く」「Interest 興味を持つ」「Desire 欲しくなる」「Memory 記憶する」「Action 購入する」のプロセスを辿るといわれていました。

しかし、これはまだモノが少なく、作り手側が情報の発信者であり、消費者が完全に受け手だった時代の行動パターンです。

商品のメリットをテレビCMなどで声高に叫んで伝えるのが広告の役割でした。

インターネットの普及と共に、消費者自身が情報を収集し、発信する環境が整ってきたことで、プロセスはアイサス(AISAS)に変化しました。

「Attention 気付く」「Interest 興味を持つ」「Search 情報収集する」「Action 購入する」「Share 情報を共有する」というプロセスです。

さらにソーシャルメディア上では、シップス(SIPS)になり、共感が重要になっているといわれています。

これは電通が提唱している消費行動モデルで、「Sympathize 共感する」「Identify 確認する」「Participate 参加する」「Share & Spread 共有・拡散する」の頭文字を取っています。

消費者は『共感』した情報や商品が有益か、価値観に合うかどうかを、検索や口コミを通して『確認』し、実際の購入やソーシャルメディア上の交流を通じて結果的に企業の販促活動に『参加』していき、自分が得た情報を友人・知人に『共有・拡散』して、さらに共感を生み出すサイクルを作り出すという分析です。

つまり、ソーシャルメディア上で購買に繋げるには『共感』が非常に重要です。

その共感を得やすい手段の1つがナラティブマーケティングなのです。

もちろん、商品を手に取って見られる場所があれば、販売のチャネルが増えます。

店頭とFacebookコマース、つまりリアルとバーチャルの両方でビジネス展開し、収益を拡大していくモデルを『ハイブリッド利益モデル』といいます。

オンラインゲームで成功したグリーやモバゲーもこのモデルで、オンライン上で遊ぶというバーチャルな価値観を実体経済化することで急成長を遂げました。

例えば、基本は無料の携帯用の釣りゲームで、大物を釣るためにはよい竿やエサが必要な場合、100円とかで販売して収益を得ようとしても、通常はその1回で終わりです。

そこで、そのゲーム(または同社のオンライン)だけで通用する仮想マネーを導入します。

仮想マネーは魚釣りの成果でも貯まりますが、すぐ欲しければ有料会員になる方が手っ取り早いです。

『会員フィー』を徴収できて、長く遊び続けてもらう仕組み作ったわけです。

このケースではキャラクターをリアル化してビジネスにしていこうという流れですが、リアルとバーチャルを融合して収益を上げていくという発想は、今後非常に重要になると予想されます。

ナラティブマーケティングにはストーリーが必要ですから、新キャラクターを投入していくと展開しやすいですね。

フランスの言語学者、アルジルダス・J・グレマスが提唱した『行為者モデル』を参考にすればいいでしょう。

物語は『主体』『対象』『援助者』『敵対者』『送り手』『受け手』という6人で構成されるという理論です。

RPGでいえば、主人公(主体)が、戦士や魔法使い(援助者)の助けを借りて、盗賊や魔物(敵対者)を倒すことで、王や村長や町長(送り手であり受け手)から、お金なりアイテムなりの報酬(対象)をもらうという感じです。

確かに、おなじみの物語は大体6人のキャラクターで成立しています。

考えてみれば、時代劇の『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』、国民的漫画・アニメの『ドラえもん』などもこのパターンに当てはまります。

商品展開を考えていく時は、どういう利用用途を作り、キャラクターをどう転用していくのがいいかを検討して下さい。

ジャンルとしては成長性が高く、まだ専用アイテムが少ないものを考えたいものです。

今、成長期にあるのはスマートフォンです。

間違いなく売れていく商品に付随するミニマーケットを狙う『販売後利益モデル』を意識してはどうでしょう。

指紋拭きも兼ねたスマートフォン用のストラップを開発すれば、うけるかもしれません。

スマートフォンのアクセサリー関連はまだ可能性があると思います。

また、ミニゲームや占いを開発するのもいいでしょう。

直接的な収入源というより、ヤマサ醤油の『しょうゆ豆知識』のように、集客のプロモーションという位置づけです。

話題と共感を呼ぶナラティブマーケティングを上手く活用して、新ビジネスとして期待できる企画書を作ってみて下さい。


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