利益を生むビジネスモデル

ビジネスを考える上で、最も重要なのは「お金をどう稼ぐか」です。「利益を上げていく仕組み」がなければ、どんなに優れたビジネスモデルでも継続できません。

相談

相談

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨年、猫専用のミネラルウォーター『にゃんこの水』を1本100円で売り出しました。

昨今のペットブームを当て込んだ商品で、ペットショップなどにも営業しましたが、残念ながら予想を遙かに下回る注文しかなく、大量に売れ残っています。

在庫を処分し、何としても利益を上げろと上司に命じられ、頭を抱えています。

広告・宣伝の予算も限られていますが、どういう手段が考えられるでしょうか。

(Dさん・メーカー勤務)

回答

そもそも「猫専用のミネラルウォーター」という打ち出し方自体が失敗です。

猫は胆石になりやすいので、ミネラル分は体によくありません。

むしろ水道水の方がよかったりします。

ミネラルウォーターという位置づけだけで飼い主の大半はアウトでしょう。

ここはもう、水を販売するという発想を転換して、ソリューションで考えるべきです。

問題解決型の商材としてリニューアルするのが一番でしょう。人々が抱えている悩みを解決する商材は、確実に利益が上がります。

販売利益を目指すのではなくソリューションビジネスに転換し、会員フィーを徴収するような収益構造に変えた方がいいでしょう。

実際、このモデルで展開しているビジネスはたくさんあります。

万が一の病気やケガ、事故のためにお金を払い続ける保険。

健康と体力作りのためのスポーツクラブなど、どちらも顧客ソリューション利益モデルです。

モノや設備にお金を払っているのではなく、不安や悩みを解消するための会員フィーなのです。

とはいえ、ペットブームに目をつけたのは正しいと思います。

『日本経済新聞』2009年2月25日付によると、犬猫の飼育数は2680万匹というデータです。

もちろん、野良を除くペットの数です。

ペット市場というのはかなり大きいマーケットです。

ペット産業の内訳を見ますと、ペットフードが55.4%、ペット用品が25.7%、生体が14.5%(参考:エコトレーディングによる推計データ)だそうです。

ペットそのものの販売より、フードの方が大きいです。

毎日摂取するものの方が収益になります。

そして、顕在化しているのがペットの高齢化です。

その割合は、7歳以上の犬が55%、11歳以上の猫が47%(参考:ペット工業会調べ)を占めています。

ペットは少子高齢化が進む今、子どもや孫の代わりともいえる家族、コンパニオンアニマルですから、加齢による衰えや病気は、飼い主にとって大きな悩みになっています。

ペットの衰えは足腰から来ますから、すでにアンチエイジングフードが色々発売されています。

こういう背景を考えると、Dさんの会社が狙うべきは『健康ソリューション』です。

水というモノを売るのではなく、「ペットの健康」を打ち出して展開していくのです。

水だけではパンチが弱いので、「水+ペットフード+獣医の往診券」の3点セット、月5000円のプランで販売します。

「猫の健康を考える飼い主さんのために開発したセット」と位置づけ、全く新しい切り口でリニューアルするのです。

猫用ペットフードと相性のいい専用水ということなら、飼い主も納得して購入するはずです。

往診券は、動物病院と提携して、猫の調子が悪い時は月1回無料で往診しますというサービスです。

ペットフードも、加齢による衰えを補う成分をプラスしたものを選び、健康対策をアピールします。

具合の悪い猫を病院に連れて行くのは大変ですから、獣医が自宅まで来てくれるのは非常に安心です。

1ヶ月のフード代の相場は平均3000円だそうですから、専用水と往診券がセットで5000円の月会費なら負担にならないか、安いくらいかもしれません。

提携先の動物病院探しは一見手間がかかりそうですが、動物病院も今は乱立気味ですから、そんなに困らないと思います。

むしろ、動物病院向けのサービスメニューとして売り込む方が、飼い主向けより効率的かもしれません。

病院側からすれば患畜へのアフターケアにもなりますし、患畜予備軍とのマッチングにもなります。

そう考えると、月1回の往診をスタンダードプランとして、往診回数が増えるごとに会費をアップするというプレミアムをつけて『製品ピラミッド利益モデル』に切り替えていく手もあります。

身近な例でいいますと、クレジットカードのアメックスの場合、緑がスタンダードで、ゴールド、プラチナ、そして招待制のみのブラックカードと、会員ランクがピラミッド状に積み上がっています。

カード会社は8~12%の手数料収入を得ていますが、利用金額が月1万円と1000万円のユーザーでは手数料の額が全然違います。

手数料が10%として、利用額が1万円では1000円ですが、1000万円なら100万円もの収入が得られます。

当然、利用金額が多くなるほど効率がいい。

つまり、カード会社としては富裕層向けのビジネスに注力したいのですが、裾野を広げておかないとステータスを感じてもらえません。

だからスタンダードからランク設定しているのです。

上位ランクにいくほど利益率が高くなるのが製品ピラミッド利益モデルです。

地道に動物病院に営業して提携先を増やしていくという戦略もありだと思います。

製品ピラミッド利益モデルの発想を使えば、さらに上のコースも考えられます。

トリミングをセットにしたコースです。飼い主からしてみれば、トリマーが自宅に来てくれるならこんなにありがたいことはありません。

美しさの維持だけではなく、年を取るにつれて猫は自力で毛玉を吐けなくなりますから、トリミングをしないと命に関わります。

トリミングの料金は、1回5000~1万円が相場です。これをセットにすれば月2万円の設定でも契約してくれる飼い主がいるはずです。

スタンダードコース 水+ペットフード+月1回の往診券 月額5000円
プレミアムコース 水+ペットフード+月2回の往診券 月額1万円
エグゼクティブコース プレミアムの内容+トリミング 月額2万円

往診回数やペットフードの種類、トリミングの内容でオプションのバリエーションも色々考えられます。

ミネラルウォーターの在庫処分という発想を捨て、健康ソリューションへチェンジするのがポイントです。


« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です