利益を生むビジネスモデル

ビジネスを考える上で、最も重要なのは「お金をどう稼ぐか」です。「利益を上げていく仕組み」がなければ、どんなに優れたビジネスモデルでも継続できません。

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●なぜ今、利益モデルが必要なのか

日本の多くの企業が八方塞がりの状態です。

長引く不況、デフレ、震災、円高と、企業努力だけではどうにもならない環境を取り囲まれています。

売上アップやコストカットはどこも取り組んでおり、可能な限り営業努力をし続けているのに、収益は上がりません。

「売上-経費=利益」という、今までの常識、売上をアップしてコストを徹底的に抑えるという引き算式の手法は、すでに限界に来ているといえます。

その状況をどうやって打開するか。新しいビジネスモデルを導入し、今までとは違う利益を作っていくこと。

つまりプラスの発想が求められます。その時役立つのが『利益モデル』です。

●利益モデルを参考に新しい収益源を発見する

ビジネスを考える上で、最も重要なのは「お金をどう稼ぐか」です。

「利益を上げていく仕組み」がなければ、どんなに優れたビジネスモデルでも継続できません。

逆に、仕組みがしっかりしていれば社内で企画が通りやすくなりますし、クライアントへプランを提出する際も説得力があります。

この「利益を上げていく仕組み」を考える場合に有効なのが、エイドリアン・スライウォツキーが提唱した利益モデルです。

スライウォツキーは、アメリカの『インダストリー・ウィーク』で『経営の関する世界の6賢人』に選ばれたことがある人物です。

彼は「持続的かつ卓越した収益性で企業に莫大な価値をもたらす領域」をプロフィットゾーンと呼び、「どこで利益を上げられるか?」という問いかけからアプローチして、将来のビジネスをデザインすることが重要だと主張します。

なぜなら、以前は有効だった「大きい市場シェアを獲得すれば、利益は後からついてくる」という法則が、必ずしも成立しなくなり、今求められているのは、利益を生み出すための明確なプランとメカニズムであり、その構築のための指針となり得るものこそ、利益モデルなのです。

スライウォツキーは、世の中の利益モデルを類型化し、23種類にまとめました。

このサイトでは、彼の利益モデルをベースに、現代の日本の状況に合うような15種類の利益モデルに再構築しました。

15のモデルは、利益の獲得スタイルによって5つに分類できます。

[利益を大きくする]

  1. 顧客ソリューション利益モデル
  2. 利益増殖モデル
  3. チョイスボード利益モデル

[取れないと思っていた利益を取る]

  1. アドバンス利益モデル
  2. 集合知利益モデル
  3. プラットフォーム利益モデル

[利益を多面化する]

  1. マルチコンポーネント利益モデル
  2. 製品ピラミッド利益モデル
  3. ハイブリッド利益モデル

[一番おいしい利益を取る]

  1. ローカルリーダーシップ利益モデル
  2. 価値連鎖ポジション利益モデル
  3. デファクトスタンダード利益モデル

[新しい利益を取る]

  1. インストールベース利益モデル
  2. 販売後利益モデル
  3. GPS利益モデル

1.顧客ソリューション利益モデル

顧客を理解し、その知識を活かした固有のソリューションを開発することで利益を上げるモデル。

IT業界のおけるコンサルティング型の提供や、広告代理店などが当てはまります。

2.利益増殖モデル

同一の資産から色々な商品やサービスを展開して収益拡大させていくモデル。

コミック→アニメ→テーマパークへと展開させたディズニー、エンジン→バイク→F1→車と発展させたホンダなどが該当します。

3.チョイスボード利益モデル

商品デザインの選択を顧客に委ね、事前に決済するモデルです。不要な在庫を減らし、料金を先払いしてもらうことでリスクが少なくなります。

カスタマイズPCのDELL、おすすめ商品を提案するamazonがこのモデルの代表です。

4.アドバンス利益モデル

ネーミング通り、お金を先取りするモデルです。

定額料金のバイキングやプロ野球の年間シートなど、本来の料金より割安でお得感がありますが、利用の有無にかかわらず、まとまった金額を事前に獲得できます。

5.集合知利益モデル

ユーザーの自発的情報発信を取り込んでビジネス展開するモデル。

化粧品の口コミ情報を集めたアットコスメ、料理レシピの投稿サイト・クックパッドなどがこのモデルです。

企業側への情報提供、eコマースとの連動、有料会員化などで収益を獲得します。

6.プラットフォーム利益モデル

プラットフォームに従属させて収益を上げるモデル。

電子商店街というプラットフォームにショップを集めてユーザーとマッチングさせる楽天、無料ゲームで集客して企業側から広告宣伝費を徴収するモバゲータウンなどが該当します。

7.マルチコンポーネント利益モデル

購買機会に応じて同じ製品の販売価格を変え、高収益のコンポーネント(収入源の構成要素)で収益を拡大していくモデル。

スーパー、コンビニ、自動販売機などマルチチャンネルで展開し、高価格帯の販売を狙っていくペットボトル飲料などが代表例です。

8.製品ピラミッド利益モデル

低価格帯商品で競合の参入やシェア拡大を防ぎ、高価格のプレミアム商品で利益を取るモデル。

例えば、腕時計のスウォッチ・グループは低価格のスウォッチで競合他社の参入をブロックし、オメガやブランパンなどの高価格ブランドで利益を獲得しています。

9.ハイブリッド利益モデル

リアルとバーチャルの両方でビジネスを展開し、利益を拡大させるモデル。

例えば、TSUTAYAは実際の店舗だけでなくネットショップでもレンタルが可能。ダウンロード販売もするなど、収入源の多面化で利益を上げています。

10.ローカルリーダーシップ利益モデル

ターゲットエリアに重点的に出店することでローカルでの優位性を確立。コストの低減、広告宣伝費の効率化。

地域ブランドを活かした採用などで収益を広げていくモデル。

代表的なものにスターバックスやセブンイレブンがあります。

11.価格連鎖ポジション利益モデル

利益が集中するバリューチェーンのコントロールポイントをいち早く支配し、収益を最大化するモデル。

OSからPCソフトに進出したマイクロソフト、そのマイクロソフトやインテルに先駆けてWEBサービスでトップになったGoogleなどが該当します。

12.デファクトスタンダード利益モデル

事実上の業界標準を押さえて、自社のビジネスプランで業界をリードするモデル。

スマートフォンのOSとして地位を確立したアンドロイドがその代表例です。

13.インストールベース利益モデル

コピーやファクシミリ機など、ハードウェアを最初に設置して利益を稼ぐモデル。

狙いはハードの販売より継続的に購入する消耗品での利益獲得。機器の購入は買い手に選択権がありますが、消耗品は売り手に主導権が移る点を利用します。

14.販売後利益モデル

製品が購入された時点で発生するミニマーケットから収益を得るモデル。

車やPCのフォローアップ製品やアフターサービスなどが該当します。

選択肢が少なく、価格感応性(価格設定に対する敏感さ)が低く、利益率が高い点も特徴です。

15.GPS利益モデル

GPSが発する情報を加工してビジネス展開していくモデル。

カーナビが有名ですが、走行中にナイキのシューズが発信するランニング情報をipodと連携、サポート情報を提供するサービスなども開発されています。

何もないところから利益モデルを考えるのは、とても困難です。

打つ手を漏れなく考えるには、次元の違う様々なフレームワークを検討する必要があるからです。

利益モデルを理解していれば、自社のマーケットや商品を当てはめていくだけで実現可能なモデルを見つけることができます。

新規事業を収益化していく発想や、ビジネスモデルの転換の検討はもちろん、可能性のある事業を探っていく場合も大きな指針になるはずです。

まずは、次のような視点でチェックしてみて下さい。

  1. 現在のビジネスはどの利益モデルを使っているか?
  2. 競争相手はどの利益モデルを使っているか?
  3. 新しい収入獲得のために、別のモデルは使えないか?
  4. 検討中のビジネスプランはどの利益モデルに当てはまるか?

ここでは、1つの案件に複数のモデルが組み込まれているケースもあります。収益を上げていくために重要なのは、ビジネスの中に複数の利益モデルをいかに有効に組み込めるかです。

現在のビジネスに別の利益モデルを組み合わせることで、新しい収入源を得ていくヒントがあるかもしれません。

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2012年12月2日
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